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歯のお引越し??(自家歯牙移植)
2008.09.21 (Sun)
「残念ですが、○○さん、虫歯が深くてもう抜くしかありません」

ショッキングな言葉です。けれど、残念ながらそういう場合があります。

さて、それでは抜いたあとどうするのか・・・

もちろん抜きっぱなしではいけませんね。何かで歯を作ることになります。

インプラント、ブリッジ、入れ歯。これら三つが、抜けた歯を補う代表的な方法です。

・・・実はここで、第四の方法があります。

それは自分の不要な歯(おやしらずなど)を、歯が抜けたところへ引越しさせる方法です。

真ん中の歯が抜けてしまったら・・・
図1
一番右の親知らずを真ん中へお引越し・・・
図2
はじめはワイヤーで固定しておいて・・・
図3
時間が経てばしっかりします
図4

(↑の図は クインテッセンス出版 「別冊Quintessence 歯牙移植の臨床像」 1996年 p70 より引用させていただきました)

この方法の良い点としては

1. 隣の歯を削ったりしないので、他の歯に負担をかけずに済む
 入れ歯やブリッジは、周りの歯を削る必要があり、他の歯に負担をかけます。しかし移植とインプラントでは、無くなった歯を直接補うので他の歯に負担をかける心配はありません

2. インプラントよりも安価で済む
 インプラントはチタン製で、非常に高度な技術で製造されているため高価です。移植の場合はもともと御自分の歯ですので、材料費がかからない分、治療費が安くなります。また、親知らずを他の歯の部分へ移植する時には、保険が利く場合もあります(ケースにより異なります)。保険が利く場合はさらに経済的です。

3. 治療が成功すると、もともとの自分の歯と同じように噛める
 インプラントは優れた治療法ですが、人工物なので全く自分の歯と同じではありません。移植ならばもともと自分の歯ですので、以前の歯と同じように機能します。

いいことづくめのようですが、デメリットもあります

1. 余っている歯がないとできません

2. だめになった歯のまわりに、あごの骨がないとできません

3. 引越しした歯がしっかりするまでに時間がかかります(だいたい2ヶ月ぐらい)

さて、それでは実際の治療風景をご覧ください。
この治療はすべて保険の範囲内で行っています。

これは、ひだり下の奥歯です。
真ん中の歯に虫歯の大きな穴があいています。
残念ですが、ここまで虫歯が大きくなると歯を残すことは難しいです。
自家歯牙移植
レントゲンです。
矢印の歯が虫歯になっています。
自家歯牙移植

さて、こちらは反対側のみぎ下の奥歯です。
青い色の詰め物をしてある歯がありますが、このうちのひとつを、悪くなってしまった歯の部分へお引越しさせます。
自家歯牙移植
レントゲンです。矢印の歯を、ひだり下へお引越しさせる予定です
自家歯牙移植

お引越しが終わりました。
青い歯が移植された歯です。隣の歯とワイヤーで固定してあります。
自家歯牙移植
レントゲンです。
自家歯牙移植

2ヶ月ほどして、引越しした歯がだいぶしっかりしてきたので、仮のかぶせものをしました。
自家歯牙移植
レントゲンです。だいぶ歯が根付いてきています。
自家歯牙移植

さらに1ヶ月してから、最終的なかぶせもの(クラウン)をかぶせました。
自家歯牙移植

↓はクラウンをかぶせてから4ヵ月後のレントゲン写真です。
移植してから7ヶ月後ですね。
うまく根付いてくれたようです。
20080917125435.jpg


新しく移植した歯がしっかりと根付けば、もともとの歯とおなじように機能します。
また、隣の歯を全く削っておらず、周りの歯への負担も非常に少ない治療です。

歯の移植に興味をもたれた方は、お近くの先生にご相談されると良いと思います。

治療の後は、虫歯や歯周病にならないように、メインテナンスをしていきます。
これが非常に大切です。
【記事編集】 |  23:48 |  歯の移植  | トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑